SecCapについて

社会生活、産業、行政のすべてにおいて、情報セキュリティの必要性は高まる一方です。一般市民への普及啓発活動が重要であると同時に、高いセキュリティレベルを有する人材育成が必須です。特に、セキュリティを正しく理解し、実社会で活かすことのできる実践力を備えた技術者や経営者、すなわち産業界が求める「セキュリティ実践力のあるIT人材」を増やすことが求められています。

本プログラムでは、5つの連携大学(情報セキュリティ大学院大学、奈良先端科学技術大学院大学、北陸先端科学技術大学院大学、東北大学、慶應義塾大学)が協力し開講する実践セキュリティ人材育成コース(SecCap)により、社会・経済活動の根幹にかかわる情報資産および情報流通のセキュリティ対策を、技術面・管理面で牽引できる実践リーダーの育成を目指します。

また人材育成を進めるだけでなく、その育成ノウハウを全国の大学(参加大学)に広める活動を進めてまいります。これにより、実践セキュリティ人材育成の枠組み自体を作り上げることができ、実践セキュリティ人材育成のすそ野を広げ、我が国全体が必要とする人材の育成体制を作り上げることができると考えております。

プログラムの特徴

実践セキュリティ人材育成コース(SecCap)により、幅広いセキュリティ分野の最新技術や知識を具体的に体験を通して習得することができます。暗号をベースとする情報セキュリティ技術、Webサーバのセキュリティ技術、ネットワークセキュリティ技術といった技術的な知識から、法制度やリスク管理などの社会科学的な知識までをカバーします。実践演習では、ハードウェアを対象としたもの、システムやソフトウェアを対象としたもの、企業組織のリスク管理を対象としたものなど、バラエティに富んだ演習コースを用意しています。受講生は、技術系、理論系、社会科学系の議義や実践演習・PBLから、それぞれが目指すキャリアパスに沿った割合で、主体的・自主的に調合した学習プログラムを作って受講することができます。

幅広いセキュリティ人材ニーズに対応するカリキュラム

カリキュラムの構成

カリキュラムは「基礎知識学習」「演習(実践セキュリティ演習・PBL)」「先進科目(応用知識等)」から構成されます。「基礎知識学習」では、 共通科目(本プログラム共通の必修科目)と、各連携大学および参加大学のネットワーク関連、セキュリティ関連の基礎科目(所属大学指定科目)を活用し、情報セキュリティ技術者として身につけるべきセキュリティ技術の基礎力として、OS、ソフトウェア、ネットワークなどのセキュアな構成技術、およびマルウェア対策に関する広範な知識・技術を習得します。

実践力を高める「演習」では、産業界が求めるマルチタレント型のセキュリティ人材育成に向けて、セキュリティ分野全体で、約20のセキュリティ実践演習モジュールを用意しています。実践演習モジュールは、技術系演習、社会科学系演習、理論系演習等、技術主体から社会科学主体まで、幅広い情報セキュリティ領城をカバーしており、受講生は、所属大学の方針に従い、複数の演習モジュールを選択して受講できます。「先進科目」は、基礎知識学習と演習で養った実践力を補強し、応用力を身につける統合的学習科目です。

2016年度 SecCapカリキュラム

SecCap 授与要件

本プログラムに参加し、共通科目2単位、演習2単位以上、先進科目2単位以上(または演習2単位でも可)および基礎科目4単位以上(所属大学指定科目の中から選択)の合計10単位以上を取得したものにSecCap修了認定証を授与する。

さらに上記を踏まえ、共通科目、演習、先進科目で10単位以上、および基礎科目4単位以上の合計14単位以上を取得したものには「SecCap10」を授与し、情報セキュリティ・スベシャリストとして認定する。

本プログラムに参加するには

本プログラムの連携大学院・参加大学院入試合格者の中から、希望者を対象に改めて適正を審査し、正式に本プログラムへの参加が認められます。

主として修士1年生の受講を想定し、通年のプログラムとして実施します。